研究紹介

「ジェンダー・地域格差に配慮したSTEAM才能教育カリキュラムに関する学際的研究」

 本研究は,全ての子どもたちの能力を伸ばし可能性を開花させるための科学教育の質的・システム的転換を目指し,理論・実証・開発・実践のフェーズから具体的展開を含めて提案することを目的としています。日本学術振興会科学研究費補助金(基盤研究A)による助成を受けて実施されています。
 才能教育研究に関わる世界的な動向として,Routledge社より,3冊の科学技術才能教育に関わるシリーズ本が出版され,今後の急加速的な関連研究の世界展開へのマイルストーンと位置付けられます(Taber & Sumida, 2016; Sumida & Taber 2017; Taber, Sumida, & McClure, 2017)。わが国では,従来よりタブー視されてきた感のある公教育としての才能教育(gifted/talented education)がようやく認知されつつあり,日本科学教育学会誌では,その動向を先取りする形で特集「科学才能教育」が平成24年6月に発刊されました。科学技術振興機構「グローバルサイエンスキャンパス」や「科学の甲子園」,「スーパーサイエンス・ハイスクール」等の高校生を対象とした関連施策に加え,「科学の甲子園ジュニア」や「ジュニアドクター育成塾」といった意欲・能力の高い中学生・小学生を対象とした事業も展開されるようになってきています。
 日本における才能教育は,科学教育がその分野の新時代を切り開き,新興研究領域を形成しつつありますが,一方で,特別な科学教育への国民的合意と制度的確立へ向けた課題が残されており,多面的な観点からの理論的精緻と基礎的な実証データの集積が不可欠です。そこで本研究では,脳神経科学,才能教育,科学教育,ジェンダー学,カリキュラム開発,自然科学,農学や工学などを専門とする学際的な組織により,科学才能概念の理論的基盤と研究方法論を確立させ,多面的な実践データの計量化を含めた,科学カリキュラムの内容と適時性の実証的な分析を行っていくことを長期的な目標としています。
 加えて,これまでの我が国の科学才能教育の事例として,拠点大学を中心とした都市部の子どもたち,経済的に豊かであろう保護者から手厚いサポートが得られる子どもたちが紹介されるのが多いことを鑑み,そうした子どもたちと同様に優れた才能を有する地方部の子どもたちや,理工系に距離をおいてしまう可能性が高い女子児童・生徒に対して,彼ら/彼女らの才能の発掘や伸長について検討を行っていきます。

研究組織

研究代表者 隅田学(愛媛大学教育学部)
研究分担者 稲田結美(日本体育大学児童スポーツ教育学部)
      大島まり(東京大学大学院情報学環・生産技術研究所)
      大隅典子(東北大学大学院医学系研究科)
      大橋淳史(愛媛大学教育学部)
      鈴木誠(北海道大学高等教育推進機構)
      千葉和義(お茶の水女子大学基幹研究院)
      土屋由香(京都大学大学院人間・環境学研究科)
      中山迅(宮崎大学大学院教育学研究科)
      林秀則(愛媛大学プロテオサイエンスセンター)
      平野幹(愛媛大学大学院理工学研究科)
      渡辺正夫(東北大学大学院生命科学研究科)

文献

Sumida, M., & Taber, K. (Eds.) (2017). Policy and Practice in Science Education for the Gifted: Approaches from diverse national contexts. Routledge.
Taber, K., & Sumida, M. (Eds.) (2016). International Perspectives on Science Education for the Gifted: Key issues and challenges. Routledge.
Taber, K., Sumida, M., & McClure, L. (Eds.) (2017). Teaching Gifted Learners in STEM Subjects: Developing talent in science, technology, engineering and mathematics. Routledge.

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(研究代表者)
〒790-8577
松山市文京町3
愛媛大学教育学部
隅田 学

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